寄与分と特別受益, 安田法律事務所 ☎ 045-651-9631

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寄与分と特別受益

寄与分とは

たとえば、父親の事業に長男が貢献して大いに繁盛して父親が財産を残したが、二男は全く別の仕事についていたという様な場合、長男の貢献によって父親の遺産が増えたのにそれを長男と二男が同じだけ分けるのは不公平です。そこで、こういう場合に長男の貢献を評価しようとするのが寄与分という制度です。家族経営の農家やお店、小規模な工場などを想像すると分かりやすいです。寄与分とは、被相続人の財産形成に特別の貢献があった相続人の潜在的な持分を、相続のときに清算しようとする制度なのです。

民法904条の2は、「共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは・・・」として、その者に相続分以上の財産取得を認めています。高齢になった親の看護も寄与分の対象になりうるのですが、子供の一人が寝たきりになった親の看護をした様な場合は,それだけでは「特別の寄与」になりません。子どもが親の面倒をみるのはある程度までは当然のことです。本来ならば親の介護のために職業的な看護人を雇わなければならなかったところ,相続人が看護したおかげでその支出を免れ,それだけ親の財産が残ったという様な事情が必要です。ただの「寄与」ではなく「特別の寄与」が必要なのです。

寄与分と認められるためには、「特別の」寄与でなくてはいけませんから、夫婦や家族、親族としての協力・扶養では足りません。また、それによって被相続人の財産が維持又は増加していることが必要です。「特別の寄与」というハードルは高いし、「維持又は増加した金額の証明」も難しいものがあります。しかし、当てはまる可能性のある人は検討してみるべきです。

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特別受益とは

特別受益とは、生前贈与や遺贈(特別受益)を受けた相続人がいる場合にそれを考慮して、相続分を公平に調整する制度です(民法903条)。

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特別受益として考慮されるもの

特別受益として考慮されるのは、被相続人から遺贈を受けている場合と、婚姻や養子縁組のためや生計の資本として贈与を受けている場合です。遺贈とは、遺言によって自らの財産を無償で他人に与えることです(964条)。

贈与とは

無償で他人に財産を与えることです。婚姻や養子縁組のための贈与とは、持参金などの名目で渡される金銭のことですが、遺産の前渡しという程度のものになります。生計の資本としての贈与とは、家を建ててもらった、建築費用の一部を出してもらった、土地をもらった場合などが含まれます。他の兄弟は高校しか行かせてもらってないのに、一人だけ医学部に行かせてもらった様な場合も含まれる可能性があります。小遣いを親からもらったとか、結婚式の費用を出してもらった場合などは、通常は特別受益に含まれません。 また、被相続人は、あげた贈与が特別受益とならないように、持戻し免除の意思表示をすることができます(903条3項)。これは後々の立証のために書面でしておくべきでしょう。

特別受益があるときの相続分の計算方法

特別受益があるときは、被相続人が亡くなったときの財産に、その贈与額を加えたものを「相続財産」とみなし、既に受け取っている贈与額を控除したものが、その人の相続分とされます(903条1項)。 たとえば、母が亡くなったときの遺産額が2,000万円、姉が家を買うときに1,000万円の贈与を受けていて、相続人があなたと姉の二人である場合、2,000+1,000=3,000万円が相続財産とみなされます。姉の相続はその半分ですから、1,500万円ですが、1,000万円を既に受け取っているので、残りの500万円を姉が相続することになり、あなたは1,500万円を相続することになります。実際にはもっと難しいケースが多いので弁護士に相談してください。

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弁護士 安田英二郎

弁護士になって30年,市民,県民の多くの事件を扱ってきました。お気軽に相談してください。初回相談料は,5,000円(税込み)の定額です。

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